2020/03/17

ウェブブラウザを勝手にいろいろ評価する

iPad と iPhone のウェブブラウザは Safari で何も困っていない。ただ Mac で使うウェブブラウザは普通に Safari を使ってみたり、Chrome に変えてみたりとここ数年で何度もちょこちょこ変えているし、最近だったら Chromium ベースの Edge も一応試した。

Safari

画像

主流になった Blink が WebKit のフォークなことは周知の事実だけど、個人的はやっぱり WebKit の方がレンダリングが素直で綺麗に感じてしまう。特に文字周りのレンダリングはその違いが顕著。

Windows だと Safari って選択肢はないからともかくとして、Mac の人は比べてみれば(そしてそう言うことを気にする人だったら)違いがすぐによーくわかると思う。

これは昔聞いた話ことのある話でもよくわかる理由がいまだに影響しているのかな。

まだ Chrome が WebKit から Blink としてフォークする前の話なんだけど、WebKit のテストで Google はコードによる自動化した(極端な言い方をすれば理論的な)テストをどんどんしたかったって方針がある一方で、Apple 側はレンダリング結果のビットマップ化された画像を想定の結果(想定の結果には人間の美的感覚が入っている)とピクセルレベルで比較するってテストをしてレンダリング結果の正当性を求めていたって言う。今では結構普通になった解像度に依存しない UI ってものを提唱していた会社がピクセルレベルでこだわってるってのがおもしろい話であるのはまた別の話として。

もしこれが Safari のレンダリング結果の美しさに影響しているとしたら、やっぱり Apple が自身を「技術とリベラルアートの交差点」って称しているのは間違いじゃないと思うし、これだけ技術が進歩してもまだまだ人間の美的感覚は高度なコンピューターの計算結果と完全一致にならないってことであるとも思う。

Chrome

Chrome 自体は非常にいいウェブブラウザだとは思う。いいブラウザだと思う点はいっぱいある。まずはとりあえずそれらを列挙してみよう。

  • ウェブ標準には満足できるレベルで準拠している
  • 90年代のブラウザ戦争では進化のために悪い意味での独自実装がブラウザ間であったのに対して、Chrome の目指す独自実装はある程度他のブラウザとコンセンサスをとって「ウェブの未来のための拡張」って意思が垣間見える
  • やっぱり開発者モードや開発用ツール系は便利
  • 複数のユーザープロフィールを作って同時に開けるので、開発や制作のテスト時に便利

ざっと挙げるとこんなくらい。逆に「邪悪」だと思う点。

  • Google 第一主義すぎる
    • タブを開いた直後のページをプラグインなしでは「どこかのウェブページ」に設定できない

Firefox

Firefox、実は最近10年以上ぶりに普段使いのブラウザとして試しています。

まだ大学生の頃とか、正式リリース前とか本当に初期のバージョンの頃は自分も Windows を使っていて IE じゃなくて Firefox を使っていたんだけど、Mac が完全なメインになってからは Firefox を使うこともほぼなくなってしまったんですが、最近クリーンな UI のウェブブラウザを使いたい願望が強くて、UI をほぼ完全にいじれるブラウザって Firefox くらいしかないから。10数年ぶりに userChrome.css をいじってます。

ただここ数年ほとんど使っていなかったのにこう言うのは偉そうであれなんだけど、Firefox ってブラウザが存在してくれていること、そしてある程度の影響力を持っていることはウェブが健全であるためには欠かせない条件だと思う。

事実上現在のウェブの世界でレンダリングエンジンは WebKit、Blink、Gecko の3種類でほぼ100%の状態。WebKit と Blink は Blink のフォーク直後はほぼ一緒だったけど、今は結構差異が出てきているので完全な別物として、そこに Gecko を加えた三つ巴の状態があるからこそ、誰かがウェブって言う本来いろいろな意味でオープンな場所、技術を故意に悪意を持って独占することを防ぐことができているのだから。

Edge

Edge が Chromium ベースになったことで実に IE 以来15年ぶりくらいに Microsoft 製のウェブブラウザが Mac でネイティブで動くようになりました。リリースされてすぐに試したけど、レンダリングエンジンは Blink だしそもそもが Chromium ベースだから Chrome とそんなに違わないかな・・・って思ってたら、UI が OS 標準のクリーンな状態に近くて自己主張してこない感じに好感を持ちました。個人的には Chrome より Edge の方が UI が好き。

ただシェアの取り戻しは向こう数年くらいで考えたら無理だろうなーとは思う。

自分みたくアプリケーションの UI のデザインの優先順位がそんなに高くなければ、そもそも既存の Chrome ユーザーが Edge に乗り換える理由がない。

あと Edge の場合は Windows の標準ブラウザって立ち位置的に Vivaldi(今回はあえて言及しなかったけど)みたいにコアなターゲットに絞り込んだ「ニヤッとするような」作りにはできない、どうしても万人受けするように作らなきゃいけなくって、結果として凡庸なウェブブラウザにならざるえないっていうある種のジレンマもありそう。

ただ Microsoft がレンダリングエンジンを自分たちで開発することを辞めたってことをポジティブに捉えたいとも思う。レンダリングエンジンは Blink に任せて・・・社内にはきっと優秀な開発者が多いんだから、レンダリングエンジンとは別のアプローチでウェブブラウザをもっとおもしろいアプリケーションにできる可能性を秘めているはずだから。

ウェブの制作とウェブを使った開発に携わる責任

今でもたまに IE 対応を相談されるプロジェクトってあるんだけど、ウェブの世界で制作や開発をしている人間として、そこには NO を突きつけるべき、それが責任なんじゃないかって思っていたりもする。

どういうことかというと、IE 自体はすでに開発している Microsoft 自体がその利用をやめるように働きかけていること、そしてその開発元の Microsoft は今後は Edge にしかリソースを割かないであろうこと、そうなればただですら最新バージョンでもかなり怪しい最新のウェブ標準への準拠は今後はもっと見込めなくなることなどなど。

完全にスタンドアロンでインターネットっていうネットワークに繋がっていないマシンで使いたいってだけなら止めない、サポートの終わった OS でもサポートの終わったウェブブラウザでも。ただネットワークに繋がる以上、OS やブラウザのセキュリティ問題は他人事ではなくて、使ってる本人が意図せずとも他所様に迷惑をかけるような大問題であるわけで。

なのでその世界で仕事をする身として、そういう危険を含んでしまうようなレガシーは排除していくのが責任かな、と。

例えばウェブ関連の制作や開発で今でもたまーに IE 対応が要件として求められることがあるんだけど、自分はそういう場合はクライアントの要望は聞きつつも、IE に対応してしまうこと(IE に対応するためだけのコードを書くこと)で今後発生するリスクは説明すべきとも思っている。そして願わくばクライアントさんが「IE は危険でレガシーな技術の集合体だから採用をやめよう」って方向に動けるような働きかけをすべきとも思っている。

この辺の技術的なことを理解している人がそれを発信して、クライアントさんが知らなかったら学習してもらうように動いて、最終的にそれらがすべてなくなってウェブの世界があるべき標準化された状態になること、40代に突入する前に世界がそう変わるように動こう。

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Biography
自己紹介。略歴程度。

1984年4月17日、新潟県新潟市(現中央区)出身、東京都在住。現職は 株式会社取締役、クリエイティブディレクター。本名は漢字で佐藤信之(大好きだったじーちゃんからもらった大切な名前)だけど、普段は堅苦しいからサトウノブユキってカタカナ表記を使ってる。気まぐれで Anonyz を作ったりしてる人。トレードマークになってるピンクや赤の髪の毛はサトウって苗字がありふれ過ぎているかが故に識別子として、が最初の理由。

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